県議会議員3人 政務活動費で観光需要喚起策「県民割」利用

令和3年度に鳥取県議会議員に支給された政務活動費で、旅行代金の割り引きを受けられる観光需要の喚起策「県民割」を少なくとも3人が利用し、クーポン券を受け取っていた県議もいたことがNHKの取材で分かりました。

令和3年度の鳥取県議会議員の収支報告書をNHKが調べたところ、少なくとも3人が議員活動として「県民割」と呼ばれる観光需要の喚起策で、鳥取県の「WeLove山陰キャンペーン」を利用して宿泊し、政務活動費として支給されていたことが分かりました。
このキャンペーンでは当時、宿泊料が最大5000円までの半額が割り引かれるほか、飲食店や土産店で利用できるクーポン券が配布されていて、議員活動で利用した県議の中にはクーポン券を受け取っていた人もいました。
政務活動費で「県民割」を利用した県議の1人は「県民の税金から支出されるため政務活動費が少しでも安くなるようにと思い利用した。配布されたクーポン券は朝食代にあてた」と話しています。
鳥取県では、県職員が公務で出張する際は全国旅行支援や「県民割」を利用した宿泊は制度の趣旨にそわないとして認めていません。
一方、県議会事務局によりますと「県民割」について、県議の利用には特に規定を設けておらず、議員側とも申し合わせをしていなかったということです。
全国の議会運営について研究している「自治体議会研究所」の高沖秀宣代表は「クーポン券は県民が受けとるべきで、官公庁でも公務で宿泊する際、割り引きを受けることは想定していない。政務活動費を使って議員が特典や利益を受けることは控えるべきだ」と指摘しています。

中国地方各県の議会事務局によりますと、政務活動費で、全国旅行支援や「県民割」を利用した県議会議員の宿泊については、島根県が制度の趣旨を議員に説明し、利用を控えるよう呼びかけているほか、広島県では、利用した場合にクーポンの利用分を支給額から減額する措置をとることにしているということです。
鳥取県を除く中国地方の4県では、議員が利用したケースは確認されていないということです。