王子製紙米子工場で代替燃料原料「エタノール」木材から生産

製紙大手・王子ホールディングスは、米子市の工場に航空機の代替燃料などの原料となる「エタノール」を木材から生産するための設備を新たに導入し、来年度中に稼働する計画を発表しました。

航空分野でも脱炭素の流れが世界的に強まるなか、植物や廃油などから作ったバイオ燃料「SAF」は、従来の燃料と比べ二酸化炭素の排出量を大幅に減らせるとされることから需要の拡大が見込まれています。
製紙大手・王子ホールディングスではこのほど「SAF」の原料となるエタノールを木材から生産する設備を、傘下の王子製紙の米子工場に試験的に導入すると発表しました。
この設備では、紙を生産するときと同じ工程で木材をパルプに加工したあと、酵素を加えるなどして作った「糖液」を発酵・蒸留させエタノールを生産するということです。
王子ホールディングスでは、来年度後半に設備を稼働させ、年間最大で1000キロリットルのエタノールの生産を見込んでいます。
そして生産が順調に進めばさらに設備を拡大し、2030年には、年間10万キロリットルの生産を目指したいとしています。
王子ホールディングスは「社会の脱炭素化に貢献すべく、木材を生かした新素材の開発を進めている。これにより持続可能な社会の実現に貢献してまいります」としています。