高知県立美術館でも ”ドイツ画家の絵画 偽物の可能性”

高知県立美術館は、所蔵しているドイツの画家の絵画が偽物の可能性があると発表しました。今後詳しい調査を行い、秋ごろに結果を報告する方針です。

偽物の可能性があるのは２０世紀初頭に活躍したドイツ表現主義の代表的な画家、ハインリヒ・カンペンドンクが描いた絵画「少女と白鳥」です。

高知県立美術館が１９９６年に名古屋市の画廊から１８００万円で購入しました。

絵画は、森の中の池で少女と白鳥が向かい合っている様子が描かれ、美術館は「超現実的な感じも受け、カンペンドンクの作品の中でも優れたものではないかと思っていた」としています。

ところが、先月２０日、徳島県立近代美術館から、アメリカのニュースサイトに公開されている偽物の作品のリストの中に、「少女と白鳥」が載っていると連絡があり、偽物の可能性が浮上したということです。

美術館によりますと、この作品は、数々の偽物の作品を描いて逮捕されたドイツの画家、ヴォルフガング・ベルトラッキ氏が描いた偽物の可能性があるということです。

美術館は「少女と白鳥」の展示を取りやめ、今後、作品の来歴の調査や、絵の具の成分分析などを行い、秋ごろをめどに結果を報告する方針です。

美術館は「長年親しんできた作品なので偽物だとしたらショックだ。しっかりと調査を行い、本物なのか、偽物なのかをはっきりさせたい」とコメントしています。