いちごの通年出荷で新規就農者を誘致へ 県が新組織立ち上げ

徳島県西部は山間地の涼しい気候を生かして「夏秋いちご」を栽培し、いちごを年中出荷している全国でも珍しい地域です。この特性を生かして、新規就農者を誘致しようと23日、官民連携の新たな組織が設立されました。

県西部では標高およそ1000メートルの山間地を活用して、夏から秋にかけて実をつける「夏秋いちご」を栽培していて、平野での通常の品種とあわせて年中、いちごを出荷している全国でも珍しい地域です。

県はこの特性を生かして新規就農者を誘致しようと、「にし阿波いちごタウン構想」と銘打った取り組みを始め、23日、三好市で官民連携の組織を立ち上げました。

組織は自治体や生産者の組合などの団体からなり、初会合では県の担当者が、栽培のノウハウを教える講座の開催や農業用ハウスの貸し出しを検討するなど今後の方針を説明しました。

このうち講座はことし6月から開き、2年後の令和8年度までに「夏秋いちご」と通常の品種の生産者を9軒ずつ増やすことを目標に、事業を進めていくことにしています。

県西部総合県民局農林水産部の太田隆久部長は「代表的な産地と比べて生産量は少ないが、通年出荷できるという魅力がある。農業の担い手不足の解消につなげたい」と話していました。