【詳しく】徳島県 出生率の5年間平均は1.46に低下

女性1人が一生に出産する子どもの数を示した出生率の5年間の徳島県の平均は1.46で、前回から0.04ポイント下回りました。

女性1人が一生に出産する子どもの数を示した「合計特殊出生率」について、厚生労働省はおととしまでの5年間の平均値を発表しました。

それによりますと全国平均は1.33で前回から0.1ポイント低くなりました。

このうち徳島県は全国平均を上回る1.46ポイントでしたが、前回の1.50からは0.04ポイント下回りました。
市町村別で最も高かったのは
▽北島町で1.64
次いで▽東みよし町で1.60
▽藍住町が1.58でした。

一方、最も低かったのが
▽鳴門市の1.22
次いで▽阿波市が1.31
▽小松島市と、つるぎ町が1.36でした。

また徳島市は1.53と県全体の平均が下がるなか、前回を0.01ポイント上回りました。

このほか
▽美波町が1.57(前回比+0.11)
▽板野町が1.54(前回比+0.15)
▽上板町が1.51(前回比+0.1)
▽神山町が1.45(前回比+0.04)で前回を上回りました。

【最高の北島町と最低の鳴門市】
このうち合計特殊出生率が前回1.66と県内の自治体で最も高かった北島町は今回、0.02ポイント下がったものの1.64と県内で1位を維持しました。
町内には工場や大型商業施設があり、徳島市のベッドタウンとして人口は、この10年間で1000人余り増加しています。
町は平成22年度から幼稚園、小中学校での給食費を半額にしているほか今年度からは1学期と2学期の給食費を無償化するなど子育て支援の充実に取り組んできました。

一方、合計特殊出生率が前回1.33と県内の自治体で最も低かった鳴門市は、今回、さらに0.11ポイント下がり1.22と再び県内で最下位でした。
鳴門市では、さらなる少子化を食い止めるため、おととし「なるとまるごと子育て応援パッケージ」と題して、子育て支援の充実を図っています。

▽小学校に入学する子どもにランドセルの代わりに使えるリュックサックを無償で配る事業などを行っているほか
▽子どもの学力向上につなげようと市内の中学校に通う生徒を対象に英検=実用英語技能検定の検定料を全額補助する事業も始めました。

また、こうした取り組みが評価され、子育て支援に力を入れている全国の企業や自治体を表彰する「日本子育て支援大賞」に去年、四国の自治体で初めて選ばれ、こうした政策が、今後、どう影響を及ばすか注目されます。

【専門家“子どもに投資 リターンが返ってくるという雰囲気を”】
徳島市に近い北島町が合計特殊出生率が高い傾向が続いていることについて、人口学が専門の徳島大学の趙※タン准教授は「通勤や子どもの学校などを総合的に考えた結果、徳島市に近い場所が住みやすいという立地面が影響している」と分析しています。

さらに、自治体の子育て支援策や子育て世帯への補助金の充実などの「口コミ」も重要な要素になってくると指摘しています。
趙准教授は「社会全体で子育てをする時代になっているので子どもに投資したらリターンが返ってくるという雰囲気を作らないといけない」と話していました。

(※タン=「丹」に「杉」の右側)