地震)専門家「吉野川周辺や紀伊水道沿い揺れやすい 備えを」

愛媛県と高知県で震度6弱を観測した地震について、地域防災が専門の徳島大学の中野晋特命教授は、今回の震源地を含む安芸灘から伊予灘それに豊後水道にかけては、フィリピン海プレートの内部で、マグニチュード7前後の地震の発生が予想されている地域だと指摘しています。

そのうえで、「最近、フィリピン海プレート沿いで地震が多く発生しており、活動が活発だ」と懸念を示しました。

一方、南海トラフ巨大地震への影響については、「今回はプレート内部で起きた東西の引っ張りによる正断層地震で、南海トラフで想定されるプレート境界の地震ではない。メカニズムが違うことから、直接的な影響はない」という考えを示しました。

また、今回、愛媛県宇和島市より震源地から離れた高知県宿毛市が最大震度の6弱を観測したことについて「大きな揺れがあった要因として、市内を流れる松田川沿いの地盤が緩く、揺れが増幅する特徴が強くあらわれたのではないか」と分析しています。

そのうえで中野特命教授は「徳島では吉野川周辺や紀伊水道沿いの地域が全国でもトップクラスに揺れやすい。非常に強く揺れる場所に多くの住宅があるため、ほかの地域と比べてもしっかり地震に備えなければならない」と指摘しました。