はしか全国で相次ぐ “就職など移動の時期 感染機会多い”

発熱や発疹などを引き起こすはしかの感染が各地で相次いでいます。専門家は「若い世代が就職や卒業などで移動するこの時期は感染してしまう機会が多い」として対策を呼びかけています。

はしかは「麻疹」と呼ばれるウイルスによる感染症で、感染力が極めて強く、飛沫や接触による感染だけでなく空気感染でも感染することが知られています。

発熱や咳などの軽いかぜのような症状のあとに顔や体に発疹が現れるのが特徴で、2月以降、東京や大阪など各地で感染者の報告が相次ぎ、海外から帰国したり、観光で入国したりした人から感染したとみられています。

県によりますと、4年前の令和2年以降、県内で感染は確認されていませんが、専門家からは対策を呼びかける声があがっています。

徳島市で小児科クリニックを経営する田山正伸医師は「若い世代が就職や卒業、春休みなどで移動するこの時期は感染してしまう機会が多い」とした上で、最初に軽いかぜのような症状が出ることを念頭に、「自分で安易にかぜだと診断せず医療機関で受診してほしい」と呼びかけています。

また、県も発熱や発疹などはしかが疑われる症状が出た場合にはマスクを着用し、事前に医療機関に連絡した上で受診するよう呼びかけています。

【はしかとは】
はしかは、ウイルス性の感染症で、感染力が極めて強く、重症化したり死亡したりするケースもあり、警戒が必要です。

空気感染のほか、飛まつや接触を通じて広がることもあり、免疫がない場合、感染者と同じ室内にいただけでほぼ確実に感染するとされています。

はしかに感染したときに出る主な症状は、発熱やせき、発疹、目の充血などです。

発疹は症状が出始めてから数日たたないと出ないため、最初のうちは、はしかと判断しにくいこともあるということです。

感染による合併症として肺炎や脳炎が引き起こされ重症化するケースもあり、脳炎については、およそ1000人に1人の割合で起き、中には亡くなるケースもあります。