津波が地元の町に来る様子を疑似体験 牟岐町がVR動画公開

東日本大震災の教訓を思い起こしてもらおうと、徳島県牟岐町は、南海トラフ巨大地震の津波が地元の町に来る様子を疑似体験できるVR=バーチャルリアリティーの動画を制作し、一般公開を始めました。

動画はおよそ4分半で、初めに、自宅のテレビから緊急地震速報が流れると、すぐに近くの家具が倒れたり、窓ガラスが割れたりして揺れの激しさを感じさせます。

このあと、町の中心部にある牟岐川に架かる大川橋や、JR牟岐駅周辺の町並みがリアルに再現され、その場に津波が押し寄せて来る臨場感ある映像になっています。

動画は、子どもの目線のものもあり、見る人が上下左右、360度を自由に見渡せ、南海トラフ巨大地震で想定される過酷な状況を疑似体験できます。

牟岐町は、南海トラフ巨大地震が起きた場合、13.4メートルの津波が到達し、最大で1000人が犠牲になると想定されることから、新たな動画をホームページなどで公開して防災意識の向上を図っています。

牟岐町デジタル推進課は「東日本大震災から10年以上がたち、震災を知らない子どもたちも増えてきた。VR動画を授業に取り入れるなど、防災教育に活用してほしい」としています。