「抱っこひもが無くても」乳幼児連れの安全避難を学ぶ 徳島市

災害時に、乳幼児を連れて安全に避難するための研修会が徳島市で開かれ、参加者たちが抱っこひもが無くてもその場にあるもので代用できる方法を学びました。

この研修会は、地震などの災害時に乳幼児を連れた家族が安全に避難できる方法を伝えようと徳島市が開き、市役所の会場には市内の防災士など16人が集まりました。

講師を務めたのは、抱っこひもの適切な使い方の普及活動に取り組んでいる中川智子さんで、初めに東日本大震災の際、子どもを両手で抱きかかえていたため、高台に登り切ることができず、津波にのまれてしまった親子がいたという証言を紹介しました。

そのうえで、災害時にはがれきなどで足場が不安定になるためベビーカーは使えず、ふだんは歩ける5歳くらいの子どもでも、恐怖で歩けなくなることがあるとして、抱っこひもなどでおんぶやだっこをして、両手が使えるようにしておくことが大切だと指摘しました。

このあと参加者たちは、中川さんの指導を受けながら、抱っこひもが無くてもマフラーや上着とベルトなど、その場にあるもので代用できる方法を実際に体験して学んでいました。

中川さんは「能登半島地震では地割れがおきるなど道路の状態が悪くなり、両手が使えないと安全に避難できなくなっていた。抱っこひもがなくても安全にだっこやおんぶができる方法を知っておいてほしい」と話していました。