米「映画芸術科学アカデミー」 科学技術賞に日亜化学の技術者

アカデミー賞を主催するアメリカの「映画芸術科学アカデミー」は、ことしの「科学技術賞」を発表し、映画館用の高性能のレーザーを開発し、映画業界の発展に貢献したとして徳島県阿南市のLEDメーカー「日亜化学工業」の技術者5人が選ばれました。

アメリカの「映画芸術科学アカデミー」は、毎年すぐれた映画作品や俳優などを選ぶアカデミー賞に加えて、映画製作に技術面などから貢献した個人や団体に「科学技術賞」を贈っています。

ことしの受賞者として46の個人や団体を発表し、このうち映画館用の高性能のレーザーの開発に携わった、阿南市のLEDメーカー「日亜化学工業」の技術者5人が選ばれました。

近年、多くの映画館では、映像を投影する際にレーザーが搭載されたプロジェクターを使うことで、従来の水銀ランプを使ったものより、高い解像度で鑑賞することができます。

5人が開発に携わったのは、プロジェクターに搭載される青色と緑色の光を発するレーザーダイオードで、特に青色のレーザーは使う電力のうち光に変換できる割合が50%以上と世界一を誇ります。

こうした技術により表現できる色の範囲を広げるなどして、多くの映画館に普及させたことが評価されたということです。

開発チームの1人、中津嘉隆さんは「受賞の連絡がきたときは本当に驚きました。なかなか一般の人の目には直接触れることのない製品が評価してもらえて本当にうれしいです。日本ではまだまだ普及は進んでいないので、これからも地道にこつこつとよいものを作り、世界中どこでもわれわれのレーザーを使った映画が見られるようになればと思います」と話していました。