「知事公舎として利用望ましくない」 有識者会議が意見書提出

知事公舎のあり方を検討する有識者会議は津波の浸水リスクなどを理由に「知事公舎として利用することは望ましくない」とする意見書をとりまとめ、12日、後藤田知事に提出しました。

徳島市南仲之町にある知事公舎について後藤田知事は、今の自宅で問題ないなどとして就任以来住んでおらず、有識者会議を設置して公舎のあり方の検討を進めていました。

有識者会議はこれまで4回議論を行い、このほど意見書をとりまとめて、12日、県庁で後藤田知事に手渡しました。

意見書では公舎がある場所は津波や高潮などで浸水するリスクがあることや、玄関が1つのため来客時は家族のプライバシーが確保されないことなどを挙げ、「知事公舎として利用することは望ましくない」と結論づけました。

そのうえで建物と土地を売却することが最も経済的で地域にとってもメリットになるとしたほか、宿泊施設や子どもの居場所などとして活用する案も合わせて示しました。

意見書を受け取った後藤田知事は「知事公舎に住むことはふさわしくないと考えている。活用方法は県民にアイデアを募るなどして前に進めたい」と応じました。

有識者会議の会長を務めた徳島文理大学総合政策学部の青野透学部長は「今後、誰が知事になっても公舎に住むことは選択肢にならないと思う。立地はいい場所にあるのでそれを前提に活用方法を考えてほしい」と述べていました。