佐那河内村 保育士処分延期 保護者「調査正しいか疑わしい」

徳島県佐那河内村の保育所で複数の保育士が虐待や不適切な保育を繰り返していたとする村の調査結果について、一部の保護者から「調査が正しいか疑わしい」とする声があがり、村は保育士の処分をいったん延期することを決めました。

村が運営する保育所について、今月1日、佐那河内村は弁護士や学識経験者に依頼した調査結果を公表し、おととしからことしにかけて、保育士5人が園児の背中をたたいたり吐き出した物を無理やり食べさせたりする虐待のほか、不適切な保育などが30件あったと明らかにしました。

村は12日までに保育士の処分を決める予定でしたが、村などによりますと9日夜に開いた保護者への説明会で、一部の保護者から「調査が正しいか疑わしい」などとして処分の延期を求める声があがり、処分をいったん延期することを決めました。

10日午前、保護者のグループが村で会見し、保育士への聞き取り調査が反映されていないことなどを理由に「調査結果は保護者から見て納得できるものではない」として村に調査結果が妥当か精査するよう求めました。

保護者の1人は「本当に虐待をしていたら処分されるべきだが、調査報告は本当なのか。適正な審査をして欲しい」と訴えました。

佐那河内村の保育所をめぐる問題について後藤田知事は10日の会見で「大人や保護者などからなかなか見えないところがあるが危機管理を含めてオープンにして次の対策をすぐ講じるべきだ」と述べました。