洋菓子メーカー「イルローザ」 全直営店を今年度中に閉店へ

徳島市の洋菓子メーカー「イルローザ」は新型コロナや原材料価格の高騰で収益が悪化したことなどから、今年度中に県内の9つの直営店すべてを閉店すると発表しました。

徳島市に本社を置く「イルローザ」は37年前に洋菓子の販売を始め、県産の牛乳や鳴門金時を使った焼き菓子などが徳島でおなじみの贈答品として、人気を集めてきました。

しかし、新型コロナの影響による売り上げの減少や、小麦など原材料価格の高騰で収益が悪化したことなどから、2日、徳島市や阿南市など、県内に9つある直営店を今年度中にすべて閉店すると発表しました。

アルバイトを含む146人の従業員は、希望退職などを募って40人に削減します。

一方、今後も菓子の製造は続け、土産物店などで販売するほか、スマートフォンのアプリで注文を受け付け、提携する店で受け取れるサービスなどを展開する方針です。

徳島市北佐古にある店舗では、2日も、客が菓子を買いに訪れていました。

徳島市に住む40代の女性は「ケーキを買ったり、県外から来た友達に洋菓子をお土産で渡していました。閉店はさみしいですが、商品をどこかで買えるなら、ありがたいです」と話していました。

岡田圭祐社長は「地域の人に迷惑をかけて申し訳ない。支えてくれた人に感謝しつつ、これまでに培ったノウハウで商品を届けていきたい」とコメントしています。