阿波おどり「プレミアム桟敷席」建築基準法違反の状態で提供

今月開かれた徳島市の阿波おどりで、１人２０万円の最高級席、「プレミアム桟敷席」のやぐらが、階段の幅が基準を満たさず建築基準法に違反した状態で提供されていたことが、市への取材でわかりました。

今月１２日から開かれた徳島市の阿波おどりでは、踊り手を正面から見下ろす食事付きの１人２０万円の「プレミアム桟敷席」が初めて導入され、台風で中止となった最終日を除く１４日までの３日間、提供されました。

市によりますと、観客が座る桟敷は、使用する前に建築基準法に基づく検査が必要で「プレミアム桟敷席」のやぐらも開幕前日に検査したということです。

その結果、法律で定められた基準より階段の幅が１０センチほど狭く、階段の手すりの高さが低いことなどもわかり、改修が必要なことを指摘し、使用に必要な検査済証は交付しなかったということです。

指摘を受けた阿波おどりの実行委員会は、手すりの高さなどは修正したものの、階段の幅は変えられず、誘導するスタッフを増やすなどして対応しましたが、検査した市の建築指導課に報告せず、検査済証がない違法な状態のまま使われたということです。

市の建築指導課は「検査済証を交付していないことは認識していたが、実行委員会側が法的な問題はクリアしただろうと思っていた」としています。

一方、実行委員会の事務局は、「問題があったと認識しており、再発防止に努めたい」としています。