ガソリン価格15年ぶり180円超 10週連続の値上がり

23日、発表された県内のレギュラーガソリンの平均小売価格はおよそ15年ぶりに180円を上回り、10週連続の値上がりとなっています。

石油情報センターによりますと、県内のレギュラーガソリンの平均小売価格は8月21日時点で1リットルあたり180.7円と前の週から2.3円値上がりしています。

値上がりは10週連続で、180円を上回るのは2008年8月以来、およそ15年ぶりです。

また、軽油も1リットルあたり155.7円と前の週より2.1円値上がりしています。

これは、▼国からの補助金がことし1月以降、段階的に縮小されていることや▼主要な産油国のサウジアラビアが原油の自主的な追加減産を延長すると発表し、価格が高止まりしていること、さらに▼円安に伴う輸入価格が上昇していることが要因です。

石油情報センターは「円安傾向により原油の輸入価格は高い状況が続き来週も値上がりが予想される」としています。

原油価格の記録的な高騰で、徳島市の運送会社ではトラックの燃料費の負担がかさみ厳しい経営を迫られています。

飲料や食料品などを全国各地に運んでいる徳島市に本社がある運送会社はトラック140台あまりを所有していて、月およそ13万リットルの軽油を使用しています。

会社によりますと、軽油の価格は3年前から上がり始めて1リットルあたり平均で、およそ30円上昇。

燃料費の負担は月390万円ほど増え、経営を圧迫しています。

さらに、来年4月からトラックドライバーの時間外労働の規制が強化され、人手不足がいっそう深刻化するいわゆる「2024年問題」への対応で、人件費の高騰も予想されます。

会社では取引先に運賃の値上げを求めていますが、ほかの業種でも電気代や人件費などのコストが上昇しているなか、十分に受け入れてもらえない現状があるといいます。

運送会社の大西恭司社長は、「企業努力でコストを削減しようにも限界がきている。さらに燃料費が上がると予想される中では、運賃を上げてもらうしかない」と話していました。

原油価格の高騰は、石油製品や重油を多く使うクリーニング店の経営にも影響を及ぼしています。

県内を中心におよそ120店舗のクリーニング店を展開する会社では、多いときは1日で8000点ほどの衣類を、徳島市の工場で洗浄していて、プレス機やアイロンに使うボイラーの燃料に年間30万リットルほどの重油を使用しています。

会社によりますと、重油の価格はことし5月まではいったん落ち着いていましたが、その後、再び上昇に転じ、1リットルあたりの価格が2か月で10%ほど値上がりしたということです。

さらに、石油からつくられるドライクリーニングの溶剤や、プラスチック製のハンガー、衣類の袋などの仕入れ価格が、1年で20%ほど上がり、1か月あたりのコストは去年の同じ時期と比べておよそ160万円増えているということです。

この会社では、去年3月、一部を除き料金をおよそ5%値上げしましたが、厳しい経営が続いています。

クリーニングチェーンの鳥取孝社長は、「経験したことのない物価の高騰で、会社の存続にも関わる。燃料価格の上昇を抑える政府の補助金の継続に期待している」と話しています。