「路線価」去年を0.7%下回る 28年連続下落

相続税などの計算の基準となる「路線価」が公表され、全国の平均は新型コロナの影響からの回復傾向が鮮明となり、2年連続で上昇した一方、四国地方は31年連続で下落しました。

このうち徳島県は去年を0.7%下回り、28年連続の下落となりました。

路線価は、主な道路に面した土地1平方メートルあたりの評価額を国税庁が1月1日時点で算定したもので、相続税や贈与税を計算する基準となります。

3日に公表された全国の路線価は、去年を平均で1.5%上回り、2年連続の上昇となり、新型コロナの影響からの回復傾向が鮮明となりました。

これに対し、四国地方は唯一、去年を平均で0.7%下回り、31年連続で下落し、明暗が分かれました。

このうち徳島県は去年を平均で0.7%下回り、28年連続の下落でした。

ただ、下げ幅は、徐々に新型コロナの影響が和らいでいることなどから去年より0.2ポイント縮小しました。

一方、税務署ごとの最高価格地点では、徳島市一番町の「徳島駅前広場通り」が29万円で県内で17年続けて最高でしたが、去年を1.7%下回り、横ばいから下落に転じました。

ほかの四国の県庁所在地の最高価格地点と比べると、松山市が67万円で1.5%、高松市が36万円で2.9%、それぞれ上昇し、高知市が21万円で去年と横ばいで、徳島市だけが下落となっています。

徳島駅前の路線価が下落に転じたことについて徳島県不動産鑑定士協会の澤嶋鉄哉会長は「新型コロナによる冷え込みは薄まりつつあるが、人口減少などで長期的な下落要因があり、さらに、このところの物価高も影響している」と分析しています。

また、今後の徳島市中心部の路線価の動向について“にぎわいの創出”がカギを握るとしたうえで、「地価は人の動きに関わってくる。新町西地区の再開発や県立ホールの建設は、内容次第では路線価の上昇や、下落の歯止めになる可能性がある。重要のなのは、人を呼び込むため無料の駐車場をたくさん設置して交通の便をよくするなど日常的に買い物に来てもらえるようにする取り組みだ」と話していました。