“コロナワクチン接種後死亡した人の死因解明を”徳島大教授ら

新型コロナワクチンを接種したあと死亡した女子中学生について、「死因はワクチンの接種に関連する心筋炎と心外膜炎」とする論文を発表した徳島大学の教授が取材に応じ、接種後に亡くなった人の死因を調べる仕組みを整える必要があると訴えました。

徳島大学大学院の主田英之准教授と西村明儒教授らが日本法医学会の医学雑誌に発表した論文によりますと、去年8月、ファイザーのワクチンで3回目の接種を受けて2日後に亡くなった14歳の女子中学生について、西村教授らは警察から依頼を受けて司法解剖を行いました。

女子中学生は接種の翌日に高熱を出し、いったん下がったものの呼吸困難となってその後亡くなり、解剖の結果、全身の臓器に炎症が起きていて、心筋炎と心外膜炎もみられたということです。

ウイルスの感染や自己免疫疾患がなかったことなどから「死因はワクチン接種に関連する心筋炎と心外膜炎である」と結論づけたということです。

西村教授は31日、徳島市でインタビューに応じ「今回は、全く感染症にかかっておらず、薬物の要因もないので、2日前に接種したワクチンしかないと判断した」と述べました。

ワクチンの接種後に亡くなったケースについては、医療機関などから報告を受け、専門機関が因果関係を評価したうえで、厚生労働省の専門家部会で検討が行われますが、ほとんどが情報不足などで評価不能とされていて、これまでに「因果関係が否定できない」と認められたのは、去年11月に亡くなった42歳の女性の1人です。

これとは別に、健康被害を救済する制度の枠組みで、厚生労働省は接種が原因で死亡した可能性が否定できないとして、53人に対し死亡一時金などの支給を認めています。

西村教授は、ワクチンは重症化を防ぐうえで有効だったとしたうえで「ワクチンは必ず副反応があり、どのような副反応があるのか明らかにする必要がある。科学的に調べる姿勢を貫くことが大事だ」と述べ、接種後に亡くなった人たちの死因を調べる仕組みを整える必要があると訴えています。