川魚アメゴ 海で養殖「サーモン」に成長 初水揚げ 鳴門市

徳島県産の川魚のアメゴが鳴門市の海の生けすで重さ1キロほどの「サーモン」に成長し、27日、初めて水揚げされました。

川魚のアメゴは、一部が海にくだり、サーモンとして需要の高いサツキマスに成長することから、徳島県は、新たな特産品にしようと、ことし2月からアメゴを鳴門市の海の生けすで試験的に養殖してきました。

鳴門市の粟田漁港では、27日朝、初めての水揚げが行われ、生けすに入れた網を持ち上げると、アメゴから育ったサツキマスが勢いよく水を跳ね上げていました。

サツキマスは、アメゴの時に黒っぽかった体が銀色になり、体長およそ40センチ、重さ1キロほどに育っていました。

今後は、県内の魚市場などに県産のサーモンとして出荷され、県は、ブランド化を目指したいとしています。

県水産振興課の吉岡拓也主任主事は「上勝町のアメゴ養殖業者や、鳴門の養殖業者の技術のおかげで、取り組みを進められた。臭みのないおいしいサーモンになったので今後もブランド化に向け取り組んでいきたい」と話していました。

鳴門市内の飲食店では、水揚げされた県産サーモンの試食会が開かれ、関係者が刺身やあぶりなどの味や食感を確かめたり、アメゴの塩焼きと食べ比べたりしました。

会場の飲食店では、29日から県産サーモンの刺身定食などを数量限定で販売するということです。

試食したアメゴの養殖業者は、「甘味があってとてもおいしい。自分たちが育てたアメゴがこんなに大きくなったのはとてもうれしいです」と話していました。

また、海の生けすで養殖した漁師の松下周平さんは「冬の寒い時期に養殖をするのは初めてで、大変なことも多かったのですが休みも取らず頑張りました。みなさんに食べてもらえてうれしいです」と話していました。

県水産振興課の嶋村一郎課長補佐は「無事にこの日を迎えられたことがうれしい。まだ1回目の試験的な養殖でまだまだ課題もあるので、もう少しサイズを大きくできるように工夫するなどして、徳島の特産になるといい」と話していました。