南海トラフ巨大地震に備え 7月から新たな観測網を試験運用

南海トラフ巨大地震に備え、高知県の沖合から日向灘にかけて整備が進められている新たな観測網の試験的な運用が7月から始まります。
周辺で津波が発生した場合、これまでより最大で20分早く検知できるということです。

南海トラフ巨大地震に備え、太平洋側の沖合の海底で観測網の整備が進められていて、文部科学省によりますと想定震源域の東側では観測が行われているのに対して、西側は空白になっています。

このため、防災科学技術研究所が高知県の沖合から日向灘にかけて「N−net」と呼ばれる観測システムの整備を計画しています。

「N−net」は、地震計と水圧計がセットになった36の観測点を海底ケーブルでつなぎ、総延長はおよそ1640キロにのぼるということです。

このうち、半分の観測点の敷設を終えたことから、防災科学技術研究所は、7月から試験的な運用を始めることになりました。

このシステムで得られた地震や津波のデータは気象庁にも提供され、緊急地震速報や津波警報などの発表にも活用されることになっていて、周辺で地震が起きた場合、最大で地震を20秒、津波を20分、それぞれ早く検知できるようになるとしています。

残りの半分の観測点は、年度内に敷設する予定だということです。