BCGワクチン 8年前から誤った濃度で接種 綾川町の病院

綾川町の病院で、1歳未満の乳児、700人あまりに対して行った、結核を予防するBCGワクチンの接種について、8年前から誤った濃度で行われていたことがわかりました。これまで健康被害の情報は寄せられていないということです。

誤った接種が行われていたのは、町立の「綾川町国民健康保険陶病院」で、25日、病院が町の施設で会見を開いて明らかにしました。

それによりますと、平成28年4月ごろから先月までに行われた、1歳未満の乳児が対象のBCGワクチンの予防接種について、誤って通常より1.5倍濃い濃度で行っていたということです。

この期間中にワクチンを接種した乳児は712人に上り、大半が誤った濃度で接種した疑いがあるとしています。

先月の人事異動で新たに担当となった看護師が、ワクチンの作り方が間違っていることに気づき、病院が調査を進めたところ、8年前の担当看護師が誤った作り方で引き継ぎを行ったことや、その後、担当者が変わってもマニュアルの再確認がされていなかったことがわかったということです。

BCGワクチンの接種では、通常、リンパ節が腫れるといった副反応がみられますが、病院では、誤った接種によって、副反応の程度が増す可能性があるとしています。

これまでのところ健康被害の情報は寄せられていないということです。

病院は、住所が確認できた人に郵送などで謝罪をするとともに、すべての予防接種で職員全員に手順の確認を徹底させるほか、職員どうしでダブルチェックをするなどして再発防止を図りたいとしています。

【病院が相談窓口】
25日の会見で、病院は、接種を受けた1歳未満の乳児712人の、当時の内訳も明らかにしました。

綾川町に住む人が630人とおよそ9割を占めているほか、綾川町以外の自治体に住む人も82人含まれていたということです。

このうち3人は、県外に住む人だったということです。

また、病院では、電話やメールなどで相談窓口を設けています。