JR高松駅 駅ビル「TAKAMATSU ORNE」オープン

JR高松駅の新しい駅ビル、「TAKAMATSU ORNE」(おるね)が22日にオープンし、午前中から多くの人が訪れています。

JR高松駅の新しい駅ビル「TAKAMATSU ORNE」では、午前9時から、駅前の広場で記念の式典が開かれました。

この中で、JR四国の西牧世博社長は、「時間とコトを楽しめる町の顔となり、人々が集いにぎわいにあふれる拠点となるよう、誠心誠意、取り組んでいきたい」とあいさつしました。

また、店の前には大勢の人が列をつくってオープンを待つ様子が見られました。

先頭にならんでいた19歳の男性は、「友人4人と午前4時半からオープンを待っていました。楽しみにしていたので店内をいろいろ回りたいです」と話していました。

そして、午前10時にオープンすると、店の外で並んでいた100人以上の客が一気に入り、各店舗を回りながら買い物を楽しむ姿が見られました。

「TAKAMATSU ORNE」は、地上4階建てで、スーパーや土産物店、それに飲食店など、40余りの店舗が入っています。

年間の売上高は80億円、来館者は700万人を目標に掲げていて、駅周辺の活性化が期待されています。

買い物に訪れた高松市の80代の男性は、「新たなにぎわいができてうれしいです。おいしそうなお土産があれば買って帰りたいです」と話していました。

また、親子で訪れた30代の母親は、「とってもいいところだなと思いました。県外の友だちが来たときはこの場所を紹介したいと思いました」と話していました。

【大規模開発が進む高松駅周辺】
オープンした「TAKAMATSU ORNE」を含めた高松駅周辺では、大規模な開発が進められています。

このうち、新しい駅ビルの北側で工事中の「香川県立アリーナ」の工事はことし11月に終わる予定で開業予定は来年春です。

国際大会レベルのスポーツ競技や大規模なコンサートの開催も可能な施設だということです。

また、新しい駅ビルの西側に隣接する「徳島文理大学高松駅キャンパス」は来年4月に開設される予定で、1000人以上の学生などが利用することになります。

このほか、高松港のすぐそばには、四国電力などが出資する会社が手がける外資系のホテルが令和9年夏に開業する予定です。

今後、新たな施設が次々とオープンする高松駅周辺ですが、22日に「TAKAMATSU ORNE」でみられたにぎわいが、さらに加速するか期待されます。

【JR四国の収支改善につながるか】
新しい駅ビルは、JR四国の経営にも関係しています。

JR四国の去年4月から12月までの決算では、グループ全体の最終的な利益が、43億円の黒字となりましたが、内訳をみると、鉄道事業の営業損益は、89億円の赤字で厳しい状況が続いています。

こうした中、JR四国は、不動産やホテルなど鉄道以外の事業の収益拡大を経営目標の一つに掲げていて、ホテル運営やマンション販売などを進めています。

22日にオープンした新しい駅ビルもこの方針の一環で、その効果などが収支改善につながるのか、今後、注目されます。

西牧社長は、報道陣の取材に対し「地方都市の駅ビルとしては従来にないいろんな試みを行っていて、駅ビルの活性化や存在価値を高められればと思っている。今後、収益の柱のひとつとして育ててきたい」と話していました。