ミスで患者死亡 県立中央病院2600万円を支払い和解へ

おととし、県立中央病院で行われた心臓のカテーテル治療で、人工弁を逆向きに取り付けるミスの影響で、患者が亡くなったとして、病院は患者の遺族におよそ2600万円を支払うことで和解する方針を明らかにしました。

これは12日、県立中央病院の高口浩一院長が記者会見を開いて明らかにしました。

それによりますと、おととし5月、県立中央病院で、県内の高齢患者が心臓の弁が開きにくくなる「大動脈弁狭さく症」のため人工弁を取り付けるカテーテル治療を受けました。

その際、人工弁を逆向きに取り付けたため血液が流れにくくなり医師が手術中に新たな人工弁を取り付けて患者は容体が一時回復しましたが、去年2月、多臓器不全で亡くなりました。

病院は長期間の処置によって、全身の機能が徐々に低下したとして死亡との因果関係が認められると判断しました。

病院は患者の遺族に対して謝罪し、慰謝料などおよそ2600万円を支払うことで和解することになったということです。

また、病院は、放射線技師がカテーテルに人工弁を装着したあとに医師が目視による確認を怠ったことが原因だとして再発防止のため、指さしや声で人工弁の向きを確認することなど、治療の手順の見直しを行ったということです。

県立中央病院の高口院長は「亡くなられた患者のご冥福をお祈りしご家族に心よりおわび申し上げます。中央病院全体として医療安全対策の一層の充実に取り組みたい」と話しています。