投資詐欺の撲滅へ 証券会社と県警が犯罪防止協定

急増している投資を名目にした詐欺などの被害を防ぎ、犯罪のないまちを目指そうと、証券会社2社と香川県警察が協定を結びました。

協定を結んだのは香川証券と野村証券高松支店、それに香川県警察です。高松市で開かれた締結式では、それぞれの代表者が協定書に署名しました。

そして、県警察本部の吉田和彦本部長が「県民にとって身近な犯罪が増加する中、SNSを悪用した投資詐欺が特に急増している。証券会社と警察が情報を共有することで、被害防止につなげていきたい」とあいさつしました。

14日に結ばれた協定は、「犯罪のない安全で安心なまちづくり」を目的に、県警が証券会社に対して防犯に関する資料や最新の犯罪手口の情報などを提供することや、証券会社が犯罪被害の防止に向けて広報活動を行うことなどが盛り込まれています。

香川県警は「去年から県内では投資を名目にした詐欺などの被害が急増している。今回の協定によって投資に関心がある人たちに積極的に情報を発信し、投資詐欺に対する危機感をもってもらいたい」としています。

締結式のあと野村証券高松支店の並木孝裕支店長は、「県警のリーフレットを店頭に置いたりセミナーを開いたりして定期的に情報発信をしていきたい」と話していました。

また、香川証券の中條博之社長は「業界をあげて投資詐欺を撲滅していく。新NISAも始まり投資に接する機会も増えると思うが、健全な投資や資産運用をしてほしい」と話していました。

投資詐欺とは、人間関係を構築してから投資を名目に金をだましとる詐欺です。

親族や公的機関を装って電話などでお金をだましとる特殊詐欺とは異なり、SNSのメッセージのやり取りなどを通して長い時間をかけて関係性を作り、だますことが特徴です。

県内の投資詐欺の被害は去年の夏ごろから急増し、去年1年間で確認された投資詐欺の件数は110件で、前の年のおよそ6倍に増えました。

また、被害総額は、およそ11億8000万円で、前の年のおよそ7倍にのぼっています。1件あたりの被害額は平均すると1000万円以上と、被害額が大きいことも投資詐欺の特徴で、去年の1件あたりの最高被害額は、およそ1億1200万円でした。

所有する現金などをだまし取られるだけでなく、金融機関から借り入れをしてだまし取られるなど、持っている財産以上の被害に遭うこともあるということです。

対策として、
▼SNSで出会った人を簡単に信用しないこと
▼「あとで返金する」「必ずもうかる」と言われたら詐欺を疑うこと
▼取り引きする業者が登録や許可を受けているか金融庁のホームページで確認すること
が重要です。

香川県警本部 生活安全企画課の来田寛 調査官は、「犯罪に遭うかも
しれないという警戒心を持ってもらうことが一番です。具体的な手口を知って見破る力をつけることが大切だと思います。もしもの時は、
警察や家族、身近な人に相談してください」と呼びかけています。