古代山城 新たに広島で発見 香川の2か所含め10か所に

飛鳥時代から奈良時代にかけて、大陸からの侵攻に備え、北部九州から瀬戸内の各地に築かれたとされる山城、「古代山城」の遺構が新たに広島県内で見つかり、瀬戸内で確認された古代山城はこれで香川県内の2か所を含め、10か所となりました。

古代山城の遺構が見つかったのは、広島市と東広島市にまたがる「長者山」の山域です。

研究者などでつくる「古代山城研究会」が地元の教育委員会の情報を得て、去年2月から現地を調査しました。

その結果、標高が、およそ350メートルから600メートルの山域を取り囲むように、土塁が巡っていることが分かりました。

土塁は瀬戸内の古代山城と共通するタイプで、一周の長さはおよそ2.4キロに及んでいました。

また、地元で「長者門」と呼ばれている、石を並べたり積み上げたりしている遺構が、土塁と接続する古代山城の城門だったことも分かりました。

使われている石材の一部には、北部九州の多くの古代山城の石材と同じ加工が施されていました。

今回の調査には、「古代山城研究会」の幹事で、高松市の文化財専門員の山元敏裕さんも参加しました。

山元さんは、高松市の屋島に築かれた古代山城の「屋嶋城」を長年、調査してきました。

古代山城は、香川県内では、高松市の屋島と、坂出市と丸亀市にまたがる城山の2か所で確認されています。

今回の広島県内での発見で、瀬戸内で確認された古代山城は、合わせて10か所となりました。