丸亀 快天山古墳 1つの古墳に2人の首長クラスが同時埋葬

丸亀市にある大型の前方後円墳「快天山古墳」の石の棺、石棺の発掘調査で、1つの古墳に2人の首長クラスの人物が同時に埋葬されていたことが新たに分かり、古墳時代の地域の政治的な統合を象徴的に示すものとして注目されています。

国指定の史跡、丸亀市綾歌町の「快天山古墳」は全長100メートル近い4世紀中頃の前方後円墳で、昭和25年の発掘調査によって、後円部に石をくり抜いて造った3つの石棺があることが分かりました。

丸亀市教育委員会は、埋め戻された石棺の保存状態などを確認するため、今年度1号石棺と2号石棺の発掘調査を行いました。

その結果、周りの土の堆積状況などから2つの石棺は、同時に埋められていたことが明らかになりました。

「快天山古墳」は、古墳時代前期では、四国で最大級の古墳であることや、2つの石棺は大きさや石棺を収めた埋葬施設の造りがほぼ同じことなどから、いずれも首長クラスの人物が埋葬されたとみられています。

調査を担当している丸亀市教育委員会の伊東涼太文化財専門員は「今回の発掘調査で、2人の首長クラスの人物が同時に埋葬されていることが分かった。このことは地域の政治的な統合を示す象徴的な事例として重要な発見と言える」と話しています。

2つの石棺とも保存状態は良好で、丸亀市教育委員会は残る3号石棺についても、来年度発掘調査を行う予定です。