香川大 大学入学共通テストの配点方針文書不存在を一転開示へ

再来年から大学入学共通テストの出題科目に加わる「情報1」の配点方針について、香川大学に高校の関係者が情報公開請求したところ、一度は「開示すべき文書が存在しない」としていたにも関わらず、一転して開示する決定をしていたことがNHKの取材で分かりました。
専門家は「文書が存在するにも関わらず、不存在という決定をすると、隠蔽を疑われる原因になる」と指摘しています。

再来年から大学入学共通テストの出題科目に加わる「情報1」では「プログラミング」や「データの活用」などの問題が出題される予定ですが、高校で指導する教員の数が少ないなど課題が指摘されていて、各大学が配点などの取り扱いをどのようにするのか、注目されています。

こうした中、東京の高校の関係者が去年秋、各地の大学に配点方針について情報公開請求したところ、香川大学は「学内で検討中のため開示すべき文書が存在しない」として、不開示の決定をしました。

これに対して、高校の関係者が総務省の審査会に不服を申し立てたところ、審査会は「学内で検討中ならば検討中の文書が存在する」として開示すべきだと答申し、これを受けて大学側は一転して、来月上旬までに文書を開示することを決めました。

香川大学は「検討中の文書も情報公開請求の対象になることなどを周知していきたい」とコメントしています。

情報公開に詳しい、NPO法人情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長は「文書が存在するにも関わらず、不存在という決定をすると、隠蔽しているのではないかという疑いの目を向けられる原因になる。何が請求の対象になるのか理解を徹底することが必要だ」と指摘しています。