中世の稲 肥料や機械使わず栽培 香川大で収穫 さぬき市

中世に使われていた稲を、肥料や機械を使わない昔ながらの方法で育てている香川大学の学生たちが、18日、さぬき市の水田で収穫作業を行いました。

さぬき市にある香川大学の水田では、ことし4月から、教育学部の4年生が、1000年以上前の中世から使われていた稲、およそ120株を栽培しています。

肥料や農薬は一切、使わず、農作業も、機械の代わりにすべて手作業で行うなど、当時の方法で田起こしや田植えを行ってきました。

18日に行われた収穫作業では、学生たちが鎌を使って、稲を一束ずつ刈り取っていき、生育した稲の違いを見比べていました。

その結果、「しろいね」という品種は、穂の高さが1メートル50センチほどまで伸び、「こしひかり」のおよそ1.5倍になった一方、穂の数は、一株10本前後で、「こしひかり」より少ないことなどがわかったということです。

学生たちは今後、こうしたデータをまとめ、「持続可能な農業」について卒業論文を制作することにしています。

香川大学教育学部の壺井颯人さんは、「田植えや草抜きは重労働で、昔と現代と比べると技術の進歩を感じました。化学肥料や農薬を使わない中世の方法は、持続可能な農業につながるのではないかと思います」と話していました。