“所在不明の弥生時代の銅鐸” 90年ぶり香川に帰り公開へ

大正時代に綾川町で出土し、長年、所在が分からなかった弥生時代の銅鐸が見つかり、坂出市の博物館で一般公開されることになりました。

このほど見つかった「内間銅鐸」は、大正15年に綾川町で出土した弥生時代中期の銅鐸で、高さが29.7センチです。

文様は、縦帯と横帯で4つに区画された袈裟襷文で、「身」と呼ばれる胴体の上の端に一対の飾り耳があります。

昭和5年に坂出市の鎌田共済会郷土博物館に寄贈され、記録や拓本が作成されましたが、その後所在が分からなくなりました。

おととし、東京国立博物館に保管されていたことがわかり、ことし3月に返却され、およそ90年ぶりに香川県に帰ってきました。

県内では、これまでに銅鐸が20点ほど出土したとされていますが、ほぼ完全な姿で実物が見られるのは、貴重だということです。

鎌田共済会郷土博物館の宮武尚美主任学芸員は「2000年ぐらい前の人たちがどんな思いで銅鐸を作り、鳴らしていたのか、想像してもらうと、楽しいのではないか」と話していました。

内間銅鐸は、坂出市の鎌田共済会郷土博物館で、10月1日から来年3月22日まで開かれる「讃岐の銅鐸」展で一般公開され、その後、4月2日から常設展示されます。