人間国宝 磯井正美さん死去 香川漆芸「蒟醤」の技法保持

高松市出身で、香川漆芸の「蒟醤」の技法の保持者として人間国宝になった磯井正美さんが9月に亡くなっていたことが分かりました。
97歳でした。

磯井さんは高松市の出身で、香川漆芸のひとつで、彫った溝に色漆を埋め込んで磨く「蒟醤」の技法の保持者として昭和60年に人間国宝に認定されました。

昭和61年に、紫綬褒章を受章し、平成10年には、勲四等旭日小綬章を受章しています。

磯井さんは父親で同じく人間国宝の磯井如真の「蒟醤」の技法を応用して独自の技法を編み出し、表現方法を広げて香川漆芸の発展をけん引してきました。

また、「蒟醤」の技法の継承のために県の漆芸研究所の講師を務め、9月初旬まで指導にあたっていたということです。

関係者によりますと磯井さんは9月20日に腎不全で亡くなったということです。

97歳でした。

磯井さんの長女の磯井由季さんは、コメントを発表し、「存命中は皆様にひとかたならぬご厚情を賜りまして心からお礼を申し上げます。家族に静かに見送られたいというのが父の望みであったことから告別式は既に親族のみで執り行わせていただきました」とコメントしています。

自身も「蒟醤」の技法の保持者として人間国宝で、半世紀にわたって磯井さんの指導を受けてきた山下義人さんは次のように話しています。

香川県の池田知事は「香川漆芸のためにまだまだご指導いただきたいと願っていただけに残念でなりません。哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りします」とコメントしています。