香川証券元社員に懲役5年の判決 1億円余を詐取した罪で

顧客にうその投資話を持ちかけて、1億円余りをだまし取ったとして詐欺の罪に問われている香川証券の元社員について、高松地方裁判所丸亀支部は「被害金額は巨額で、被害者らの精神的苦痛は甚大だ」として、懲役5年の実刑判決を言い渡しました。

まんのう町の秋山香壽子被告(67)は、香川証券の社員だった平成28年から去年にかけて、複数の顧客から、あわせて1億100万円をだまし取ったとして、詐欺の罪に問われています。

これまでの裁判で、秋山被告は、起訴された内容を認めていて、弁護側は「被告は反省している」などとして寛大な判決を求めていました。

20日の判決で、高松地方裁判所丸亀支部の塚原聡裁判長は「被害金額は巨額で、だまし取った金銭はブランド品の購入にあてるなどしていて、弁償のめどもたっていない。被告を信頼していた被害者らの精神的苦痛は甚大だ」と指摘しました。

その上で、配当金などの名目で被害者らに金銭を交付したことが事実上の弁償にあたるとの弁護側の主張については「発覚を免れる目的であり、だましとった金が原資であることなどを考慮すると、被告の責任を大きく軽くする事情とはいえない」として、懲役7年の求刑に対し、懲役5年の実刑判決を言い渡しました。