経済的な困窮で治療が遅れ去年6人が死亡 民間団体調査

病気だったにもかかわらず、経済的な困窮を理由に医療機関での治療が遅れて手遅れとなり亡くなったとみられる人が去年、香川県で6人いたことが医療機関などでつくる団体の調査で分かりました。

この調査は、県内の医療機関などでつくる香川民医連・香川民主医療機関連合会が、あわせて5つの病院と診療所を対象に行いました。

それによりますと、去年1年間に病気で死亡した人のうち、経済的に困窮したり、国民健康保険などの保険料を滞納して「無保険状態」になったりして治療が遅れたとみられる人が香川県では6人いたということです。

死亡した6人は、いずれも50代以上で、このうち、5人が「無職」で、3人が負債を抱えていました。

また、社会保険については、6人のうち2人が無保険状態で、1人が国民健康保険に加入していたものの保険料を滞納していて、病状が進行していても、経済的な困窮を理由に受診を控えたり、治療費が払えず治療を中断したりした事例が多かったということです。

香川民医連に加盟する医療機関などでは、無料、または低額で診療を受けられる制度があり、香川民医連の奥谷啓一事務局長は、「調査結果は氷山の一角で、経済的に困窮する患者を無料・低額診療や生活保護を利用して1人でも多く漏れ落ちる命を救っていくことが大事だ。制度の周知や相談窓口の開設に努めていきたい」と話していました。