“乗客をバスのトランクに閉じ込め走行”ジェイアール四国バス

四国4県などで高速バスを運行しているジェイアール四国バスは、ことし2月、荷物を取り出そうとしていた乗客1人をバスのトランクに閉じ込めたまま、走行していたと発表しました。

ジェイアール四国バスの発表によりますと、松山支店所属のJR松山駅発、JR徳島駅行きの高速バスで、ことし2月下旬、乗客の20代の女性1人をトランクに閉じ込めたまま、一般道を走行していたということです。
乗客の女性は徳島大学前のバス停で降りた際、トランクに潜り込んで手荷物を取り出そうとしていましたが、40代の運転手は別の乗客の対応をしていて、そのことに気づかず、トランクの扉を閉めて発進しました。
その後、1キロほど離れた終点のJR徳島駅に到着して、バスターミナルの係員がトランクを開けたところ女性が閉じ込められていたことがわかりました。
その際、女性は閉じ込められていたことを係員に告げましたが、運転手や会社側には伝わらず、その後、女性が会社に連絡して発覚しました。
女性が閉じ込められていたのは、およそ7分間で、けがはなかったということです。
ジェイアール四国バスは、ことし3月に四国運輸局に報告し注意を受けたということで、運転手に対しては戒告の懲戒処分を行ったとしています。
ジェイアール四国バスの宮武賢一安全推進部長は記者会見で「非常に大きな過失で、お客様に対してご迷惑をおかけして反省している」と謝罪しました。
その上で、今後トランク内の確認を徹底するよう社内の乗務員に指導したとしています。

【ジェイアール四国バスに法令違反確認】
一方、今回の問題を受けて、四国運輸局がことし3月、ジェイアール四国バスに対し監査を行ったところ、いくつかの法令違反が確認されたということです。

四国運輸局とジェイアール四国バスによりますと、具体的な法令違反として年に一度、すべての運転手が受けなければならないことになっている研修を一部の運転手が受けていなかったことなどがあったということです。
このため四国運輸局は、ジェイアール四国バスの松山支店に対し、今月24日付で今月26日から6月14日までの20日間、車両1台の使用を停止する行政処分を出しました。
ジェイアール四国バスによりますとこの処分でダイヤなどへの影響はないということです。