出産時オンライン立ち会いで不安軽減 香川大学の研究グループ

新型コロナの影響で出産時の立ち会いの制限が続く中、オンラインでも、デジタル技術を駆使してより臨場感を持たせることで、妊婦の不安の軽減などにつなげることができるという研究結果を、香川大学の研究グループが発表しました。

新型コロナの影響で、出産時の立ち会いは制限されていて、一部で再開する動きはあるものの、妊婦の不安などにつながっているという指摘があります。

香川大学医学部の新田絵美子助教の研究グループはこうした状況を改善しようと、デジタル技術を駆使したオンラインでの立ち会いに関する研究を進めていて、16日、その結果を発表しました。

使われたのは、映像の遅れが少なく、音響などもその場にいるような臨場感を体感できるよう開発された専用のモニターで、新田助教は、128人の妊婦を対象に、▽このモニターを使ったグループと、▽従来のタブレット端末を使ったグループに分けて効果を検証しました。

その結果、専用のモニターを使ったグループは、妊婦の不安がより軽減されたほかその後の育児への参加意欲も高まる結果が得られたということです。

研究グループでは今後、長期の入院などが必要となる新生児集中治療室での活用も検討していくことにしています。

新田助教は「リアルな環境に近づけることで、夫婦での一体感や、赤ちゃんを迎えられたという達成感にもつながり、育児にも前向きになるのではないか」と話しています。