ことしの花粉症 特徴は飛散量の多さ 専門家は注意呼びかけ
ことしもやってきた花粉の季節。
今シーズンの特徴は飛散量の多さです。
専門家は、ことし初めて花粉症を発症する人や、症状が重くなる人もいる可能性があるとして注意を呼びかけています。
日本気象協会は、ことしの花粉の飛散量予測を発表していて、香川県では前年の2.3倍、最大で3.6倍としています。
飛散量が増える主な要因は、前年の夏の気候が関係しているということで、スギやヒノキが成長する6月から8月にかけて、香川県では平均気温が高く、降水量が少なく、日照時間の多い日が続き、花芽の形成に必要な条件を満たしていたということです。
20日、民間の気象会社が「香川県で花粉の飛散が始まった」と発表しました。
県内では花粉の飛散を感じている人もいて、60代の会社員の男性は「外へ出たりすると、花粉を感じます」と話していたほか、高松市内の親子連れは「少し前から花粉症の症状があります」、「娘がかゆいと言いだしたら常備している薬を飲んで症状を抑えるようにしています」と話していました。
花粉症のピークは、来月上旬ごろから1か月以上続くとされています。
高松市で花粉症の治療にも取り組んでいる「わたなべ耳鼻咽喉科」の渡辺亜希子副院長によりますと、花粉の飛散量が多い今シーズンは、初めて発症したり、副鼻くう炎、ぜんそくといった合併症を引き起こしたりするおそれもあるとしていて、処方されたアレルギーを抑える薬を継続して服用する必要があると指摘しています。
また、頭痛や鼻づまりなどアレルギーの症状があれば、耳鼻咽喉科、ぜんそくといった息苦しさがあれば、呼吸器内科など、症状によって受診する科を選んで対策を進めてほしいということです。
さらに、感染が広がるインフルエンザや新型コロナウイルスとの判別方法として「のどの痛み」をあげています。
時間の経過に伴って痛みが悪化する場合は、ウイルスなどが炎症を引き起こしている可能性があるとしています。
渡辺副院長は、症状の有無に関わらず、気になることがあれば、まずは受診をするよう呼びかけています。
つらい花粉症ですが、朗報もあります。
それが、県内で育てられている花粉の少ないスギです。
香川県森林センターによりますと、現在およそ300本のスギを育てていて、おととしから種の販売を始めたということです。
花粉症の解決に向けて、認知度の向上や利用を呼びかけていきたいとしています。