公立保育所で紙おむつの定額購入サービス導入へ 宇多津町

宇多津町は、町内の公立保育所で、紙おむつの定額購入サービスを導入することになりました。
県内では初めての取り組みで、保護者と保育所側、双方の負担軽減につなげるのがねらいです。

ことし4月から、紙おむつの定額購入サービス「サブスクリプション」が導入されるのは、宇多津町に1か所ある公立保育所です。

保護者が月額3278円を支払うことで、紙おむつとお尻ふきが園に届き、園内で制限なく使うことができるようになります。

導入に先立って15日、保護者向けの説明会が開かれ、全国でサービスを展開している紙おむつメーカーの「花王」の担当者が仕組みを説明していました。

この保育所ではこれまで、保護者が、子どもの名前を記入した紙おむつを持参し、保育士が毎日、子どもごとに仕分けるなどしてきましたが、サービスの導入によって、保護者と保育所側の双方の負担軽減につながることが期待されるということです。

花王によりますと、全国では、私立の保育所で1000か所程度、公立保育所では10程度の自治体がこのサービスを導入していて、県内では、宇多津町が初めてだということです。

保護者の1人は「仕事が始まってバタバタする中でおむつに名前を書くのは大変だと思っていたので、助かります」と話していました。

従来から業務量の多さが指摘されている保育士にとって、紙おむつの仕分けや補充も負担となっていました。

宇多津町立中央保育所の保育士、森本祐紀さんは「一気におむつのストックが切れていったりすることもある。子どもの連絡帳にも『おむつの補充をお願いします』と一筆書いたりするが、それでも保護者が忙しくて持ってきてもらえない時などは、保育所の分から出さなければならない。大人数のおむつをミスなく把握や管理するのに労力や時間がとられる」と話していました。

今回の新たな取り組みの導入で、業務量の軽減とともに保育の質の確保にもつなげられると期待が集まっていて、森本さんも「子どもたちの保育を丁寧にしたり、発達にあった保育をするには、定期的に保育を見直していかないといけないが、おむつの管理の時間が省ける分、保育の環境の整備や遊びを変えたりするための準備に加えて、職員同士の連携などの時間に充てられると思います」と話していました。

県も、来年度から、私立保育所などが、保育記録のデジタル化や、登園管理にQRコードを導入するなど、業務のICT化に取り組む際の補助金を拡充する方針で、こうした事業を通じて、保育士の負担軽減を図りたい考えです。