香川県 弾力性が増した新たなうどん用の小麦の開発に成功

うどんのために県が開発した小麦「さぬきの夢」について、県はたんぱく質の含有量を改善して弾力性などが増した新たな小麦の開発に成功し、後継に選定したことを明らかにしました。
来年7月をめどに品種登録を出願し、順調にいけば再来年秋から、本格的な生産を開始する方針です。

県が平成12年に開発した、うどん用のオリジナル品種の小麦「さぬきの夢」は、年々生産量が増えていて、去年は9170トンと、これまでで最も多くなりましたが、事業者などからは、県内でも多く使われているオーストラリア産の小麦と比べて伸ばしにくいなどと指摘され、普及が伸び悩んでいました。

これに関連して、6日の県議会の委員会で、県の新池伸司農政水産部長は、「『さぬきの夢』はつややかで、もちもちとした食感があるといった評価も得ているが、タンパク質の含有量を高めて欲しいという要望があり、新たな品種の育成が求められている」と述べました。

そのうえで、県の農業試験場でDNAの選抜技術などを使って改良を重ねた結果、現在の「さぬきの夢」より、たんぱく質の含有量が1%程度多い「香育33号」という小麦の開発に成功し、先月、後継に選定したことを明らかにしました。

県によりますと「香育33号」は、試験段階での製粉や製麺業者からの評価では、練りやすさや伸ばしやすさ、それに包丁での切りやすさが改善したほか、コシも強く、色や光沢なども「さぬきの夢」よりも優れていたということです。

県は、来年7月をめどに農林水産省に品種登録を出願したうえで、順調にいけば再来年の秋に種をまく分から、本格的な生産を開始する方針です。

【うどん職人は…】
うどんのために県が開発した小麦「さぬきの夢」の後継に新たな品種が選定されたことについて、うどん職人からは期待の声が聞かれました。

高松市のうどん店「さぬき麺市場」では、「さぬきの夢」を使用したうどんを提供しています。

この店の職人、丸岡光男さんによると、「さぬきの夢」を使ったうどんは輸入小麦を使った麺よりも切れやすいため、生地をこねる工程を念入りに行ったり、やや厚みのある太さに麺を切ったりする工夫が必要だということです。

県によりますと、県内におよそ600店あるうどん店のうち、「さぬきの夢」を利用していると県が認定している店舗は、先月時点で49店舗にとどまっています。

丸岡さんは、「『さぬきの夢』も改良が加えられて、だんだん品質がよくなっているので、さらにいい粉が出来たらうどん業者にとって最高だと思います。新品種の開発をきっかけに、県内だけでなく全国で讃岐の粉を使ってもらえるようになったらいいと思います」と話していました。

【農業試験場は…】
綾川町にある県農業試験場では、「さぬきの夢」の後継となる品種の開発に向けて、毎年およそ700種類の系統の小麦を試験栽培してきました。

そうした中で今回、後継として選ばれた「香育33号」は、粘りけと弾力性のバランスが整っているということで、うどんにすると、よりコシのある麺ができるということです。

また、これまでの品種よりも粒の大きさが大きいことが特徴で、品質の面でより優れた等級がつけられ、栽培する農家にとっては収益にもつながるといいます。

香川県農業試験場の大山興央場長は、「うどん用の小麦として開発しているので、県のソウルフード、うどんの利用に定着してほしい。今回の改良で使いやすくなっているので、いろいろな用途に使ってもらえるように期待している」と話していました。