香川県の「待機児童」は19人 3年連続で減少

保育所などの空きを待つ香川県の「待機児童」は、ことし4月時点で19人と、去年より10人減りました。
前の年を下回るのは3年連続ですが、県では、解消を目指して対策を進めていきたいとしています。

厚生労働省が毎年行っている保育所などの空きを待つ「待機児童」の調査によりますと、香川県の「待機児童」は、ことし4月時点で19人でした。

19人はいずれも高松市で、去年の同じ時点と比べると、10人減少しました。

一方、保育所など子どもを預かる施設の定員は、高松市で117人増加していて、施設を利用した子どもの数も去年より143人増えました。

こうしたことから、県子ども家庭課は、待機児童が減少した背景として、保育の受け皿が拡大したことなどが考えられるとしています。

県内の待機児童をめぐっては、平成28年の324人をピークに、減少傾向が続いています。

ただ、高松市で依然として待機児童が解消されていないことに加え、地域によっては「定員割れ」となる施設があるなど、偏りも課題となっているということです。

県子ども家庭課は「高松市内でも特に人口が増加している地域で保育の受け皿が不足しがちなので、保育士を確保するなど対策をすすめていきたい」と話しています。

保育の受け皿の整備が進む要因のひとつが、保育士の増加です。

県によりますと、平成25年度の段階では、保育施設に入所する子どもの数が1万9949人で保育士の数が3683人だったのに対し、今年度当初では、入所する子どもが2万2681人なのに対し、保育士の数は5083人でした。

保育士の資格を持ちながら子育てなどで職場を離れている「潜在保育士」の復帰が進んでいることも増加の要因で、県は、平成25年から設けている保育士の「人材バンク」などの取り組みが、一定の成果を上げているのではないかとしています。

ただ、地域によっては保育士の確保が容易ではないケースもあります。

高松市中心部の保育施設では、通勤事情などもあって保育士が集まりにくく、年度途中での入園などを受け入れることができないこともあるということです。

今年度当初で、香川県で保育士登録をしているのは1万3398人で、すでに亡くなっている人を含む可能性はあるものの、8000人余りの人が「潜在保育士」となっている可能性があります。

県は「人材バンク」を通した、求人と求職のマッチングをさらに進めるなどして対応する考えですが、地域による保育士の偏在の解消が課題となっています。