富士山火口3人死亡 1人の身元確認進める 

富士山山頂の静岡県側の火口で26日、登山者とみられる3人の死亡が確認され、警察はこれまでに搬送を終えた1人の身元の確認を進めています。
残る2人の遺体については28日以降、搬送することにしています。

警察によりますと、6月23日の朝、東京・日野市に住む53歳の会社員の男性の妻から、「夫が富士山に登山に行ったあと連絡がとれなくなった」と届け出がありました。
この翌日に警察がヘリコプターなどで男性を捜索していたところ、富士山山頂の静岡県側の火口で、あわせて3人がそれぞれ少し離れた場所で倒れているのが見つかり、26日現場で全員の死亡が確認されました。
警察はこれまでに現場から1人の遺体を警察署に搬送していますが、残る2人については、27日は天候の状況や救助隊の体力面を考慮して搬送は行わず、28日以降に実施する方針です。
警察は搬送を終えた遺体について身元の確認を進めるとともに、3人はそれぞれ別々に登山をしていたとみて、死亡した原因を調べることにしています。

【5合目の山小屋の経営者は・・】
静岡県小山町の富士山の須走口5合目で山小屋を経営する米山千晴さんは東京・日野市の男性の家族の依頼で山小屋を訪れた小型の発信器のレンタル会社の担当者から、男性の状況を聞いたということで、「男性はスキーが好きで、ショートスキーを持って行ったらしいという話を聞いた」と述べました。
その上で、男性が富士山に登っていたとみられる今月22日の状況については、「私どものガイドが山小屋の近くでお客さんの案内をしていたが、風速20メートルぐらいの風が吹いていた。山頂に行けば倍以上の強風だと思われ、そのぐらいの風にあおられると、人間の体はひとたまりもなくもっていかれてしまう」と話していました。