国の名勝「臨済寺庭園」範囲拡大 静岡市

静岡市の「臨済寺庭園」は、国の名勝に指定される範囲が広がり、周囲にある書院や庵なども含まれることになりました。

静岡市葵区にある、「臨済寺」は今川義元や徳川家康ゆかりの寺として知られ、本堂が国の重要文化財に指定されています。
そして、本堂の裏手にある「臨済寺庭園」は、家康が寺を再建した際に造られたとされ、裏山の沢筋から水をひき、自然の渓谷を生かした高低差のある作りになっていて昭和11年に国の名勝に指定されています。
この「臨済寺庭園」ついて、国の文化審議会は、今回新たに周囲にある山林や書院などを名勝に追加指定するよう文部科学大臣に答申しました。
具体的には、庭園背後の山林や庭園を望む本堂や書院、それに、斜面の上から庭園を見下ろすように建てられた庵、「無想庵」です。
このうち、「無想庵」は、大正時代に檀家の寄付で建てられ、書院から続く渡り廊下をのぼると庭園全体を一望できます。
今回の追加分を含めると名勝として指定される面積は、これまでの約7倍の約5500平方メートルとなります。
臨済寺は、ふだんは見学できませんが、年に2回、5月と10月に一般公開を行っているということです。