日蓮宗の僧侶が4500万円余を着服

県東部にある日蓮宗の寺院でつくる宗務所の会計担当の僧侶が、15年以上にわたって4500万円余りの資金を着服していたことが、宗務所の内部調査でわかりました。

県の東部や伊豆にある95の日蓮宗の寺院でつくる、日蓮宗静岡県東部宗務所の調査報告書によりますと、会計を担当していた僧侶が2008年7月からことし3月にかけて、あわせて4500万円余りの資金を着服したということです。
僧侶は長年、宗務所の会計を担当していて、一般会計や災害対策基金の口座から繰り返し現金を引き出していたということです。
僧侶は帳簿を改ざんしたり、口座の残高証明書を偽造したりしていて、毎年4月に行われる監査でも発見されず、ことし3月の決算処理の際に僧侶が告白して、着服が発覚しました。
宗務所の調査に対し、僧侶は「パチンコから始まり、公営ギャンブルにのめり込み、宗務所のお金を持ち出すようになった」と遊興費に使ったことを認めていて返済の意思を示しているということです。
全国の宗務所を統括する日蓮宗宗務院は、この僧侶を5月15日付けで住職罷免の懲戒処分にしました。
宗務所は今後、外部の有識者に依頼して調査を続けるとともに、警察への被害届の提出なども検討するということです。
日蓮宗静岡県東部宗務所は「信徒や寺院の皆さまに多大なご迷惑をおかけし、信頼を失墜する事態を招いたことを心よりおわび申し上げます。再発防止策の策定と実行に取り組んでいく所存です」とコメントしています。