リニア工事水位低下 静岡市長「岐阜と静岡は違う 影響なし」

岐阜県内にあるリニア中央新幹線のトンネル工事の現場周辺で井戸などの水位が低下している問題について、静岡市の難波市長が23日会見を開き、「岐阜の現象と静岡で想定される現象は違うので影響はない」との見解を示しました。

この問題は、岐阜県瑞浪市にあるリニア中央新幹線のトンネル工事の現場の2つの区間で地下水が湧き出し周辺の井戸やため池などで水位の低下が確認されたもので、JR東海は工事を一時中断しています。
これについて市の北部の南アルプスが工事の予定区間となっている静岡市の難波市長が23日、臨時会見を開き、「岐阜の現象と静岡で想定される現象は違うので影響はない」との見解を示しました。
理由として、岐阜県では工事の現場周辺で水位が低下したのに対し、静岡県では大井川流域で水の利用に影響が出ると懸念されている地域は、トンネルから約100キロ離れていることや工事で流出した水を大井川に戻すことで水を利用する市と町には影響が出ない措置がとられることを挙げました。
また、工事の影響を直接受けると想定される南アルプスについては、「今回のような事態が起きないようにJR東海側と協議を進め、実際の工事で不具合があれば直ちに見直す」と説明しました。
一方で、岐阜県のケースではことし2月に水位の低下が見られたにもかかわらず、5月まで県や地元自治体に連絡がなかったことについて、難波市長は「流れ出す水の量が急に増えたら即時に対処するルールを決めることなどをJR東海側に求めたい」と述べました。