スルガ銀行が旧経営陣に賠償求めた訴え退ける判決

静岡県沼津市のスルガ銀行の旧経営陣らが、創業家と関係の深い財団法人に不当な寄付を行い、銀行に損害を与えたなどと主張して、銀行が旧経営陣側に賠償を求めた裁判で、静岡地方裁判所は「寄付は企業の社会的責任を果たす目的で行われたもので、合理的な範囲を超えるとは認められない」として訴えを退けました。

スルガ銀行は、創業家出身の岡野光喜元会長ら旧経営陣が、創業家と関わりの深い美術館を運営する財団法人に不当な寄付を行い、銀行に損害を与えたと主張して、旧経営陣側に対して計26億円あまりの賠償を求める訴えを起こしました。
裁判で旧経営陣側は訴えを退けるよう求めていました。
25日の判決で静岡地方裁判所の菊池絵理裁判長は、「銀行から財団法人への寄付は、美術館の耐震工事や美術品の購入など、企業の社会的責任を果たす目的で行われた。銀行の経営実績や社会的・経済的地位などを考慮すれば、合理的な範囲を超えるとは認められない」として訴えを退けました。
判決についてスルガ銀行は、「主張が認められず遺憾だ。今後の対応は判決内容を精査した上で決定したい」とコメントしています。
スルガ銀行は、今回の裁判とは別に、シェアハウスなど投資用不動産向け融資の不正をめぐって旧経営陣らに総額35億円の賠償を求める訴えも起こしていて、現在、審理が続けられています。