袴田さん再審「5点の衣類」証拠から排除を 人権団体署名提出

58年前、静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さんの再審=やり直しの裁判をめぐり、国際的な人権団体のメンバーが11日、静岡地方検察庁を訪れ、過去の裁判で有罪の決め手とされた「5点の衣類」について、証拠から排除するよう求める署名を提出しました。

58年前の1966年に今の静岡市清水区でみそ製造会社の一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審では、事件の発生から1年2か月後に現場近くのみそタンクから見つかり、有罪の決め手とされた血の付いた「5点の衣類」について争われています。
これについて、死刑制度に反対している国際的な人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」のメンバーらが静岡地方検察庁を訪れました。
団体では、去年3月に東京高等裁判所が再審を認めた決定の中で、「5点の衣類」がねつ造された疑いに言及したことを受けて、衣類を証拠から排除するよう求めています。
11日は、オンラインなどを通じてオランダやスペインなどから集めた2万人あまりの署名を検察に提出しました。
このあと開いた会見で、団体のメンバーは、袴田さんが最初に裁判のやり直しを求めてから去年、再審開始が決まるまでに40年以上かかったことをふまえ「袴田さんは再審制度の一番の被害者だ。検察には今回の裁判が海外でも知られていることを自覚してほしい」と話していました。