川勝知事発言は「農業者を愚弄」JAグループが県に声明文

静岡県の川勝知事が、新人職員への訓示で農業を含めた職業差別とも捉えられかねない発言をしたことを受けて、県内のJAグループが「農業者を愚弄する発言だ」とする知事あての声明文を県に提出しました。

静岡県の川勝知事は、4月1日、新人職員への訓示の中で「県庁というのは別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日野菜を売ったり、牛の世話をしたり物を作ったりとかと違って、基本的に皆さんは頭脳・知性の高い方たちです」と発言し、職業差別とも捉えられかねないとして波紋が広がる中、辞職の意向を表明しました。
この発言を受けて県内のJAを代表してJA静岡中央会の鈴木政成会長が9日県庁を訪れました。
鈴木会長は、知事の発言について、「農業者を愚弄する発言であり決して看過できない。私たちは県民に対し安全・安心な農畜産物を安定的に供給するため、技術革新や創意工夫などたゆまぬ努力を重ねている」などと知事あての声明文を読み上げ、提出しました。
声明文を受け取った県経済産業部の田保豪農林水産担当部長は、「知事の発言で傷つけてしまい、大変申し訳ない」と陳謝しました。
このあと、取材に応じたJA静岡中央会の鈴木会長は、「知事は県の最高責任者なので真意を確認したいが、私たちの思うようなその後の発言が出てこず、農家を侮辱するようなことばが非常に重く残っている。ばかにしているのかという思いだ」と話していました。