川勝知事 発言で辞職意向 閣僚から言及が相次ぐ

川勝知事が職業差別とも捉えられる発言をして辞職を表明したことについて閣僚から言及が相次ぎました。
このうち坂本農林水産大臣は、閣議のあとの会見で、「国民の食だけではなく、地域の経済やコミュニティーを支える農業者にとって残念なものであり、1人の政治家として憤りを感じます」と述べました。

川勝知事は、4月1日、新人職員への訓示の中で「県庁というのは別のことばで言うとシンクタンクです。毎日野菜を売ったり、牛の世話をしたりするのとは違って、基本的に皆さんは知性が高い方たちです」と発言し、職業差別とも捉えられかねないとして波紋が広がる中、辞職の意向を表明しました。
発言については謝罪したものの「撤回しない」としています。

《坂本農林水産相 “憤りを感じる” 》
静岡県の川勝知事が職業差別とも捉えられる発言をして辞職の意向を表明したことに対し、坂本農林水産大臣は、5日の閣議のあとの会見で、「国民の食だけではなく、地域の経済やコミュニティーを支える農業者にとって残念なものであり、農村地域に生まれ育ち、これまで農業の現場における創意工夫を見てきた1人の政治家として憤りを感じます」と述べました。

《斉藤国土交通相 “JR東海と静岡県などとの対話を促す”》
「リニア中央新幹線」の静岡県内の着工を認めていない川勝知事が辞職の意向を表明したことについて、斉藤国土交通大臣は具体的な言及を避けたうえで、事業主体のJR東海と静岡県などとの対話を促し、早期開業に向けた環境整備を進めていく考えを改めて示しました。
川勝知事はJR東海が開業をめざす「リニア中央新幹線」について、水資源や生態系への悪影響が懸念されるとして着工を認めておらず、3日の記者会見では辞職する理由の1つにリニア中央新幹線の開業延期という区切りがついたことを挙げました。
これについて、斉藤国土交通大臣は5日の閣議の後の記者会見で「川勝知事の進退を巡る発言や記者会見での1つ1つの発言に政府の立場でコメントすることは差し控えたい」と述べ、具体的な言及を避けました。
その上で、「国の有識者会議を通じて事業主体であるJR東海と静岡県をはじめとする関係自治体とのいっそうの対話を促す」などと述べ、早期開業に向けた環境整備を進めていく考えを改めて示しました。