知事のリニア巡る発言 JR東海“工期は計10年なので誤り”

辞職の意向を表明した静岡県の川勝知事がリニア中央新幹線を巡り「静岡の工事は13年弱かかるので静岡工区の完了は2037年になる」と発言したことについて、JR東海は「工事の期間はあわせて10年なので知事の発言は誤りだ」と否定しました。

リニア中央新幹線を巡っては、JR東海が3月29日、静岡工区の工事に着手できていないことを理由に、2027年の開業を断念したことを明らかにし、静岡の工事が今すぐ着工できたとしても開業は2034年以降になる計算です。
一方、川勝知事は、3日行った辞職理由の説明会見の中で、3月29日の国の専門家会議でのJRとのやりとりを提示して、「ボーリング調査や10年かかるトンネル掘削など、単純に足すと静岡の工事は13年弱かかるので、静岡工区の完了は2037年になる」と発言しました。
これについて、4日、静岡市内で会見を開いたJR東海の澤田尚夫常務は、「専門家会議ではトンネルの掘削を含めてすべて合わせて10年かかると説明した。知事の発言は事実関係として誤りだ」と否定しました。
その上で、静岡の工事の遅れで、山梨県駅と長野県飯田市の高架橋の工事では、完成が4年遅れて2031年になる見通しであることも示しました一方、川勝知事が辞職を表明したことについて、「非常に驚いた。辞任についてコメントする立場ではないが、静岡工区の早期着手に向けて、県と双方向のコミュニケーションを行うのは変わらない」と述べました。