川勝知事 辞職決意の理由 ”不適切発言とリニア“と説明

職業差別とも捉えられかねない発言をし、2日に突然、辞職の意向を表明した静岡県の川勝知事は3日、改めて記者会見を行い、辞職を決意した理由は、みずからの不適切な発言と、着工を認めてこなかったリニア中央新幹線について開業延期という区切りがついたことの2つだと説明しました。

静岡県の川勝平太知事は、1日に新人職員への訓示の中で「県庁というのは別のことばで言うとシンクタンクです。毎日野菜を売ったり、牛の世話をしたりするのとは違って、基本的に皆さんは知性が高い方たちです」と発言しました。
この発言が、職業差別発言とも捉えられかねないとして波紋が広がり、川勝知事は、2日の記者会見でことしの6月議会をもって辞職する意向を表明しました。
そして川勝知事は、3日午後3時半から静岡県庁で改めて記者会見を行いました。
この中で「私の、新規県庁職員としての励ましの言葉の中に人々の心を傷つけるものがあったということを厳しく受け止めております。心を傷つけたとすれば誠に申し訳なく、心からおわびをいたします」と述べ、みずからの発言について謝罪しました。
そのうえで辞職を決意した理由は、たび重なる不適切な発言と、着工を認めてこなかったリニア中央新幹線について開業延期という区切りがついたことの2つだと説明しました。
これについて川勝知事は「不十分なことばづかいによって人の心に傷をつけた。大きく反省すべきことだ。これが繰り返されており、ひとつの大きな辞任の理由だ」と述べたうえで、リニア中央新幹線について「JR東海は事業計画にずっと固執されてきたが、事業計画を根本的に書き直したものが先月29日に出た。これで私の手をもう離れた」と述べました。
また、川勝知事は任期の途中で辞職する理由を問われたのに対し、「県議会も私の言動が一因になり政局がらみで動くというのが常態化して、これはなんとか解決したいと思っていた」と述べました。
さらに、再び知事選挙に立候補する考えがあるかどうか問われたのに対し「私はもう十分仕事をした。出直し選挙なんてとんでもない。まったく考えていない」と述べました。
3日の会見で川勝知事は、6月議会の冒頭で辞職したいという意向を示していて、議会関係者によりますと次の知事選挙は議会日程をふまえ、早ければ7月中旬から遅くとも8月中旬までの間に実施される見通しだということです。