【ニュースアップ】障害者が企業で実際に仕事を体験 

法律で義務づけられている障害者の雇用割合がことし4月から引き上げられるのを前に、障害がある人が企業で実際に仕事を体験する取り組みが今週、志太榛原地域で行われています。

この取り組みは、障害がある人が企業で働くことを促進し定着を進めようと、県などの委託を受けて障害者の就業を支援している団体が行っているもので、63の企業が合わせて126人を受け入れています。
このうち、焼津市にある食品包装資材の製造などを手がける会社では、市内に住む石田開さん(26)が仕事を体験しました。
自閉症で知的障害がある石田さんは、ふだんは、障害者の就労支援施設で自動車部品の組み立てなどの仕事を1日4時間、週5回行っています。
石田さんがまず頼まれたのは、伝票の番号と荷物の番号が一致しているか確認する仕事です。
続いて包装に使うフィルムを工場内に運ぶ仕事に取り組み、荷下ろしに手こずっているとすかさず社員が声をかけていました。
5人の障害者が働いているというこの会社。
障害者が働きやすい環境をつくろうとさまざまな取り組みを行っていて職場ではその場その場でやってもらいたい仕事の内容などが示されています。
さらに去年10月には、障害のある人の仕事をサポートするチームを社内で立ち上げ、有志の社員13人が参加しています。
チームの一員の女性社員は、「障害について知らないことがたくさんありました。障害者が働いていない他部署にも障害者雇用について知らせたいとチームに参加しました」と話していました。
石田さんが今回仕事を体験したのは、これまで障害者が働いたことがない部署でしたが、社員たちは仕事の内容をわかりやすく説明しようと努めていました。
受け入れ先の企業の担当者は、「障害者には得意なものと不得意なものがあり、それをマッチングしていくことが大事だと気付かせてくれました」と話し、石田さんは、「楽しかった。いろいろ知ることが出来てよかったです」と話していました。