富士山「弾丸登山」防止で夜間入山制限の社会実験へ

新型コロナウイルスの制限緩和で富士山の登山者が増える中、川勝知事は、ことしの静岡県側の登山ルートの管理方針を発表しました。
例年どおり登山者数は制限せず登山料を義務化しない一方で、いわゆる「弾丸登山」を防ぐため、夜間の入山制限をする社会実験を行うということです。

県によりますと、去年の富士山の静岡県側からの登山者数は8万4000人余りで、新型コロナ禍前の水準に戻りましたが、弾丸登山でのトラブルやごみ捨てによる環境悪化が問題となっています。
また、登山料については、山梨県が今月、協力金とは別に、1人2000円を求める条例案を議会に提出する方針です。
こうした中、川勝知事は14日の定例会見で、静岡県側の登山ルートのことしの入山管理の方針を発表しました。
それによりますと、まず例年どおり、登山者数の上限は設定せず登山料も義務化しないということで、これまでどおり任意の協力金1000円の支払いを登山口などで呼びかけるということです。
その上で、夜通しで山頂を目指す「弾丸登山」を防ぐため、新たな社会実験を行います。
具体的には、登山者が山小屋の宿泊予約の有無や登山計画をWEBシステムに事前に登録すること、当日、登山口に向かう前のシャトルバスの駐車場などでスタッフがWEBの登録状況を確認し、宿泊予約がない人などに夜間の登山の自粛を呼びかけるということです。
川勝知事は、「山梨県の対応で登山者が静岡県に流れてくる可能性がある。社会実験を踏まえて、来年以降の政策に反映していく」と述べました。