静岡県の新年度当初予算案 6年ぶり前年度を下回る

静岡県が新年度の当初予算案を発表し、新型コロナウイルス対策費の大幅な減少などで、一般会計の総額は1兆3100億円あまりとなり6年ぶりに前の年度を下回りました。
一方で、子育て支援対策や能登半島地震を受けた防災対策を強化しています。

川勝知事が13日発表した2024年度の当初予算案は一般会計の総額で1兆3160億円で、新型コロナの対策費やおととしの台風15号の被害の復旧費が大幅に減少したことにより、今年度より540億円余り少なくなり6年ぶりに前の年度を下回りました。
予算案では、岸田総理大臣が掲げた異次元の少子化対策に合わせて子育て支援が強化され、保険適用外の先進的な不妊治療費の助成制度の創設や中小企業で育休を取得する男性従業員の賃金の一部の助成など計922億円が盛り込まれました。
また、能登半島地震を受けた防災対策として、県内に約13万戸あるとされる1981年以前の古い耐震基準で建設された住宅の耐震改修費を助成する費用の拡大や医薬品を運ぶ輸送用ドローンを県の出先機関に配備するなどの費用として、計99億円が計上されました。
一方、歳出が歳入を上回る財源不足は、今年度より17億円多い555億円で過去20年で最も多くなり、不足分は、貯金にあたる財政調整基金などで補うということです。
川勝知事は会見で、「コロナに関わる予算や人員を減らすことができ、子育て支援や能登半島地震を受けた防災対策など、今必要とされている分野に回した。世界クラスに向けて飛翔する時期を迎えた名付けるならば『飛翔予算』だ」と述べました。
この新年度当初予算案は、2月20日に開会する県議会2月定例会に提出されます。
【コロナ対策課は今年度で廃止へ】
今回の当初予算案では、新型コロナが去年5月に感染症法上の5類に移行したことを受けて、これまでコロナ対策費として国から交付されていた545億円がカットされました。
具体的には、感染者を受け入れる医療機関のいわゆる「空床補償」やPCR検査の費用、宿泊療養施設を借り上げる費用などです。
また、これに伴い組織改編も行われ、2021年10月に特別に開設された医療提供体制の確保を担った「新型コロナ対策企画課」や、自宅療養者の支援などを担った「新型コロナ対策推進課」が今年度いっぱいで廃止されることになりました。
新年度からは、新たな感染症対策の拠点の「ふじのくに感染症管理センター」を中心に、インフルエンザなどほかの感染症と合わせて対応を続けるということです。